美術書が解説する透視図法では不十分だった
絵画関係の遠近法の解説書では、透視図法を十分に理解し難いものが多いと思っています。
これはあくまでも僕自身の経験から語っていることなので、「いやいや、そんなことはないよ」と仰る方もいると思います。
書店の絵画コーナーに並ぶ遠近法の解説書では、ほとんどが次のような説明がされています。
消失点が一つなら一点透視図法、二つあれば二点透視図法、三つあれば三点透視図法という具合です。
透視図で大切なのは、「視点」と「画面」の関係ですが、美術の技法書でこの部分の説明がきちんとされているのを、ほとんど見たことがありません。
消失点の数を押さえているだけでは、実践的なスケッチでどうやって描いたらいいのかわからない、ということに陥ってしまいます。
実際、僕もその一人でした。
この記事では、そんな僕が透視図法を身につけるにあたって手にした、わかりやすくて実践的な本を紹介します。
透視図法に関するおすすめ本
椎名 見早子 著/パース塾
~ 画力がメキメキUPする! いちばん簡単な遠近法講座 ~
透視図法で行き詰った時に、早い段階で手にした本がこれです。
正直に言って「漫画?」とは思いましたけど、内容はしっかりしています。
この一冊に書かれていることが理解できれば、風景画だけでなく静物画や人物画を描く際にも、物の見方が変わります。
パースの入門書として非常に分かりやすく、誰もがつまづきやすいパースもこの一冊が解決してくれます。
パース初心者で、どの本がいいか迷っているなら、この本は絶対にお勧めです。
村山隆二/だれでもできる[超簡単]建築パース
透視図の理論やグリッドを使った描きかた、D点法(距離点法)などが丁寧に説明されています。
人によっては難解に感じるかもしれないので、一歩踏み込んだ勉強をしたい方におすすめします。
大脇 賢次 著/よくわかるパースの基本と実践テクニック
透視図法を基本からしっかり勉強したい方にお勧めの一冊です。
透視図法の基本は足線法ですが、この作図プロセスが段階的に多く示され、初心者でも理解しやすい内容となっています。
僕はこの本から透視図法のすべてを学んだと言えるくらいです。
写実的な絵を描こうとするならば、透視図法的な見方を知っておく必要があるので、この本は大変良い教科書になるでしょう。
透視図法の基本的な考え方から、実践テクニックまで網羅された名著と言えます。
森永 智年 著 / 建築透視図法ワークブック
この一冊で透視図法の学びたいことが全て学べる、と言っても過言ではないかもしれません。
透視図の歴史や基本はもちろん、 足線法、D点法(距離点法)、M点法(測点法)、影のパース、鏡に映るパース、アナモルフォーズ、写真から透視図を再構成する方法まで、幅広く網羅されています。
練習課題も掲載されているので、一人で勉強することもできます。
最後に
絵画全般についての本もまとめてありますので、興味のある方はご覧ください。
≫ 絵の勉強におすすめの本 6選‥描き方・構図・遠近法・人体・色彩
遠近法、色彩、人体、構図などの講座ブログは、「絵画講座 / インデックス」として、まとめてありますので、ご活用いただければ幸いです。
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