水に映る風景、ショッピングモールや高層ビルなど、マジックミラーが使われた建物に映る風景はとても幻想的で魅力的です。
しかし、水や鏡に映る建物を描くとなると、難しくて手も足も出ないという方は少なくないかもしれません。
魅力的な風景を前にして、何もせずに諦めるのはもったいない。
考え方を理解して、ぜひ挑戦してみましょう。
水に映る建物の考え方
水に映る像は、図1に示すように、水面を中心に実像を折り返した像として考えます。
入射角と反射角は同じであり、OAとOBは同じ長さです。
この考え方さえ押さえておけば、かなり描きやすくなるはずです。
水に映る建物の透視図
ここでは、二点透視図法における鏡映図を示すことにします。
図2で黒の実線で示した形が建物の実像です。
先述したように、建物の高さ分だけ折り返して水に映りますが、実際には建物が接地している場所と水際は一致しません。
ですから、OAの長さをGL(基線)を境に折り返して描きます (図2 OB)。
BからVP1、VP2に結び、透視図を完成させます。
水際の線は、図3の茶色の線に示すように、GLより下にあります。
この茶色の線より下の図が、水に映る建物ということになります。
一見、難しそうに思える水に映る建物も、これで簡単に描けるのではないでしょうか。
鏡に映る建物の透視図
次に鏡に映る風景を描いてみましょう。
例として、図4のような場所を取り上げてみました。
右側の水色の壁を、マジックミラーとします。
正面の壁は、鏡面を境にして対称に映っていると考えればいいので、図5のように描きます。
左の壁の鏡像は、視心(消失点)VCを使って描きます。
図6のように、A、BそれぞれをVCに結ぶと、左の壁の鏡像が描けます。
左の青いガラスは、図のように鏡像上まで水平移動させて描きます。
まず、Qを鏡像のパースライン上に移動させるとTの位置が決まります。
そこから垂線を立ち上げて、PQと同じ長さになるSを決め、VCに結びます。
奥行き方向の長さも、実像から水平移動させて決めれば、鏡像のガラスを描くことができます。
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最後に
水面や鏡面に映り込む建物は、実像に対して線対称になっています。
これさえ押さえておけば、あとは消失点を使って描くことができます。
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