遠近法「二点透視図法の壁‥スケッチブックに消失点が取れない場合」

透視図法を勉強してスケッチに出かけると、その図法通りに描けなくて困った、という方はたくさんおられると思います。

特に二点透視図法を使って建物や室内空間を描こうとすると、二つの消失点をスケッチブックの中に収めることが難しくなりますよね。

消失点を2つともスケッチブックの中に収めようとすると、絵は小さくなってしまいます。

建物を大きく描こうとするなら、紙を継ぎ足すなどして消失点を求めればいいのでしょうが、これは面倒で実践的ではありません。

正確に描くためには消失点を設定する方が良いのですが、ここではその方法をとりません。

では、どうするのか。

この記事では、片側の消失点のみで、二点透視図法のパースを描く方法を紹介します。

外観パースの描き方

中之島中央公会堂スケッチ

このスケッチは大阪市の中之島中央公会堂を描いたものです。

ご覧のように画面内に消失点がありません。
二点透視図法で描こうとすると、先述したようにこういうことがよく起こります。

では、右壁面を例に話を進めていきましょう。

二点透視図法の描き方
(図1)

まず、建物の一番手前の角を決めます (図1 赤線)。

これが垂直基準線となります。

この時、作品の完成図を予想してラフにアタリを取っておくと、描きやすくなります。

次に外形線を決めます (図1 黄点線)。
外形線の角度はコンパス等を使って、測るといいでしょう。
この角度は、必ず透視図の「画面」を意識して測ります。

コンパスの片方の脚を垂直基準線と合わせ、もう片方の脚を「画面」上で外形線と合わせます。

そのまま、スケッチブック上に移して外形線を引きます。

目で見て感じている以上に、傾斜角度が大きいと驚くはずです。

二点透視図法
(図2)

外形線が引けたら、適当な場所にもう1本垂直線を引きます(図2 緑線)。

これはどこでも構いません。

2本の垂直線を黄点線で挟まれた範囲で、それぞれ等分します(ここでは4等分)。

等分した点をもとに、図2の青線のように結びます。

奥行き方向への傾斜角度は、これをガイド線として描いていきます。

 

二点透視図法描き方
(図3)

奥行き寸法は、必ず「画面」上で測ります(図3 濃青線)。

左壁面も同様に描きます。

今回の建物は大きく、両壁面の消失点を、画面内に取ることができませんでした。

最初に練習するなら、もう少し小さい建物を狙い、片側の消失点は画面内に取るようにしてください。
その方が描きやすくなります。

室内空間パースの描き方

こんどは、室内空間パースを描いてみましょう。

描き方の手順は、外観パースとほぼ同じですが、どちらか片方の壁(今回は左の壁)の消失点を、スケッチブックの中に収まるようにして、描き進めます。

外観パースの時と同様に、ある程度完成図を予想して、ラフにアタリを取っておくとよいでしょう。
今回は、ガラス戸になっている左の壁の消失点を、画面内に収まるようにして描くことにします。

二点透視図法室内空間パース
(図4)

初めに、垂直基準線を一番奥のコーナーに取ります (図4 赤線)。
(外観パースでは、建物の一番手前の角でした。)

二点透視図法 室内空間
(図5)

左の壁から描きます。
〈床と壁〉、〈天井と壁〉の境界線の角度をコンパス等を使って測り、それぞれの線を図5の赤線のように延長します。

その交点が、左壁面の消失点となります(図5 赤丸)。

角度を測る時は、必ず「画面」上で測ります

 

二点透視図法 室内空間
(図6)

右の壁も同様に〈床と壁〉、〈天井と壁〉それぞれの境界線の角度をコンパス等を使って測り、図6の黄線のように描きます。

この時も「画面」の意識を忘れないようにしましょう。

任意の垂直線 (図6 緑線)を引き、2本の垂直線 (赤と緑の線)をそれぞれ等分し、図6の青線のように結びます。
ここでは4等分しました。

これをガイドラインとして右の壁を描きます。

奥行き寸法も必ず「画面」上で測ります。
つい、現実世界の奥行き方向にとらわれてしまいますが、常に「画面」の意識を忘れないことです。

 

二点透視図法 室内空間
「図7」

左の壁と平行な面はすべて、図7の緑線のように結びます。

今回は水彩で着彩してみました。

もう1つのテクニック測点法(M点法)

二点透視図法で建物などを描く場合、スケッチブックの中に消失点が取れないことはよくあります。
むしろその方が多いでしょう。

そんな場合に今回紹介したガイドラインを使う方法は、比較的簡単で使いやすいテクニックですが、この他にもう1つ測点法(M点法)という考え方があります。
少し複雑で難解ですが、知っておくと便利なテクニックでもあります。

興味のある方は次のリンクからご覧ください。

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僕自身が透視図法を勉強するにあたって、出会ったわかりやすくて実践的な本ばかりです。
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最後に

外形線の角度を測る際に、画面の意識さえできていれば、失敗することはありません。

奥行き寸法を測る時も同じです。


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