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遠近法「増殖」と「分割」

同じ形の規則正しく並んだ家や、等間隔に並んだ窓や杭を描く時、どう描けばいいでしょうか。

こういう場所を描くとなると、けっこう面倒で難しいですよね。

こんな時は「増殖」や「分割」のテクニックを知っていると便利です。

増殖の方法

まず基準となる一つ目の形を決めます。

対角線を引き、中心線を引きます (図1)。

増殖
(図1)

次に、図2のように、ABを結んで延長しCを求めます。

そこから垂線を立ち上げてDを求めると、線分CDは次の分割線となります。

APとPDは同じ長さです。

増殖
(図2)

これを繰り返します (図3)。

増殖
(図3)

パースがついていても同様に描くことができます (図4)。

この時、中心線と水平線を混同しないようにしましょう。

中心線と水平線は必ずしも一致するわけではありません。

分割線と水平線は直交します。

増殖
(図4)

分割の方法

次に分割の方法ですが、二分割や三分割の方法は【 構図の決め方・考え方「三分割法」】の中で紹介しているので、そちらをご覧ください。

まず四分割ですが、これは二分割を二回い行えばいいので簡単です。

六分割も難しくありません。
二分割と三分割を組み合わせればいいだけですね。

五分割や七分割となると、かなり難しそうに思ってしまいますが、案外そうでもありません。

これらは三分割する方法に似ています。

まず、五分割を考えてみましょう。

図5のように四分割し(青線)、それぞれの長方形に同じ方向の対角線を引きます(赤点線)。

分割
(図5)

図5で引いた赤点線と、元の長方形の対角線(緑)との交点を求めると、五分割となります (図6 赤点線)。

分割
(図6)

七分割も同様に考えます。
まず六分割し、それぞれの長方形に対角線を引きます。
この対角線と、元の長方形の対角線との交点を求めればいいだけです。

では、N分割したい場合どうするか。

三等分は、まず二等分。

四等分は三等分。

五等分は四等分。

七等分は、まず六等分からでした。

ということは、N等分する場合は、(N-1)等分しておけばいいということになります。

また、このテクニックは、図7のようにパースの中でも使えます。

分割
(図7)

参考図書

椎名 見早子 著/パース塾
 画力がメキメキUPする! いちばん簡単な遠近法講座 ~

パース塾

ここで紹介した増殖や分割のテクニックだけでなく、パースの基本が非常に分かりやすく解説されています。

決して、「漫画なの?」などと侮ってはいけない。
誰もがつまづきやすいパースも、この一冊が解決してくれると言っていいでしょう。

この一冊に書かれていることが理解できれば、風景画だけでなく静物画や人物画を描く際にも、物の見方が変わります。

最後に

増殖や分割のテクニックは、よく使うので知っていると非常に便利です。

難解に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、何度も練習して覚えておきましょう。


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