展覧会情報「第11回 白日会関西支部 選抜展」

構図の決め方・考え方 「三分割法」と黄金比との関係

構図を考える時、画面のどこにモチーフを配置すればいいか分からない。

なんとなくまとまっている気はするけれども、本当にこれでいいのかどうか判断できない、という方は多いのではないでしょうか。

この記事では、構図の考え方の基本を踏まえながら、三分割法について解説します。

三分割法とは

三分割法
(図1)

図1は教室でのデモンストレーション作品に、縦、横それぞれ三等分する線を引いたものです。

制作時間は、15分程度です。

いわゆる「三分割法」を利用して、構図を決めています。

三分割法とは、画面を縦、横に三等分した分割線のライン上、または交点に主要なモチーフを配置する構図法のことです。
この作品の場合、主役となる「橋」を「赤」線上に配置してみました。すべての分割線を使う必要はありません。

この方法は写真の技法書にも頻繁に紹介されており、凡庸な構図ではありますが試してみる価値は十分あります。

決め方も非常にシンプルですし、使いやすいと思います。

構図とは

図1はF6号サイズですが、おなじ6号でもP6号やM6号のような細長い画面になると、縦横比は変わりますから、この風景にはあてはまりません。

F10号のような正方形に近い形も同様です。

また、「枠」に合わせてモチーフの場所や形を都合よく移動させたり、変形させたりするということでもありません。

手元に10号のキャンバスしかないからといって、余白を無理に空で埋めるようなことはしないのです。

つまり、描きたいモチーフにぴったり合う「枠」を見つけることが、構図の考え方の基本になります。

出来上がった作品に分割線を引いてみて、「ちょうど三等分になっていますね」という解説書を目にすることがありますが、これはちょっと違います。

どの「枠」が適当かを決めるには、何枚もスケッチをするしかありません。

手間を惜しまないことです。

三分割の方法

画面を三等分する際、定規で測りますか。
これってけっこう面倒くさいですよね。

辺の長さを測って、電卓をはじいて…

そんなことをしなくても簡単に三等分を得ることができます。

所詮は絵ですから、図面を引くのとは違います。

だいたい三分の一になればいいので、小さい画面なら手で測ればいいですし、画面が大きくなれば糸などを使っても良いでしょう。

ここでは幾何学的に画面を分割して、三分割を得る方法を紹介します。

まず、対角線を引きます (図2)。

三分割法
(図2)

対角線の交点を通る垂直線を引き、画面を二分割します (図3)。
ここでは左右に二分割していますが、上下に二分割しても構いません。

三分割法
(図3)

二分割した四角に、それぞれ同じ方向に対角線を引きます (図4)。

三分割法
(図4)

もとの四角の対角線の交点を通るように水平、垂直な線を引けば三分割の線が得られます。(図5)。

三分割法
(図5)

三分割を得るために引いたいくつかの線は、構図を決める上でも重要な線となります。
参考に制作途中のスケッチを載せておきます。

3分の1の構図
(「紫陽花」アクリル 4F)

実践編 「構成と構図」

例として、拙作の「ティーポットと果物」をもとに、「構成」と「構図」ついて考えます。

油彩作品
「ティポットと果物」油彩 P8

「構図」を考える前に「構成」を考えますが、まずは直感的に並べるところから始めます。

ある程度、納得のいく形になったら、スケッチをして「構図」を検討します。

スケッチに構図線を引いて、画面に対するモチーフの関係をチェックします(図6)。

(構図線は完成作品に引いています)

三分割法
(図6)

構成当初、ぶどうはすべて皿の中に納まっていました。

しかし、スケッチに構図線を引いてみると、ぶどうの一部を皿の外に出す方が良いと判断して、構成を変更しています。

写真では見えにくいですが、布の折り目もほぼ分割線の近くに配置してあります。

構図線はあくまでも目安なので、正確に一致していなくても構いません。
人の目は三分の一のライン上だと認識しますし、揃いすぎても逆にわざとらしくなってしまいます。

左にあるハート型の小物入れのフタも、構成した当初は閉めていましたが、開けておく方が分割線に響きます。

ハートの形も見せた方が可愛らしいですしね。

「構成」と「構図」は別々に考えるのではなく1セットです。
より良い形を探りながら行き来させ、調整を繰り返していきます。

ですから、「構成」が出来たら「構図」を考えるということではありません。

三分割法と黄金比との関係

黄金比とは、古代より多くの芸術家や数学者を魅了してきた、最も美しいとされる比率のことです。

「ユークリッド」(前300年頃アレキサンドリアで活躍した数学者)による定義は次の通りです。

黄金比

C:A=A:Bとなるような分割比を黄金比といいます。
Bが1の時、Aは(1+√5)/2 、約 1:1.618となり、これを黄金数Φ(ファイ)と呼びます。

この分割比が活かされた作品は、ミロのヴィーナス、モナリザ、パルテノン神殿など、多数存在しています。

さて、この黄金比と密接な関係にある数列に、「フィボナッチ数列」があります。
これは1、1から始まって、「前の2つの数字を足すと次の数字となる」という単純なルールで作られる数列のことです。

1 1 2 3 5 8 13 21 34 55 89 144・・・・・

名前の由来は、イタリアの数学者「レオナルド・フィボナッチ」(1180~1250頃)からきています。

この数列の隣り合う数字の比を取ると…、

1倍
2倍
1.5倍
1.66666…倍
1.625倍
1.615384…倍
1.61904…倍
1.617647…倍
1.61818182…倍

…というふうに、黄金数Φに収束していくのです。

ここで、3分の1の構図に注目してみます。

分割比は1:2です。

この「1」と「2」という数字は、フィボナッチ数列の第2項目と第3項目にあります。

1   3 5 8 13 21 ・・・・・

ここに3分の1の構図と、黄金比との関係があります。

三分割法は単純な分割比による構図法ですが、最も美しい分割比といわれる黄金比から、それほどかけ離れているわけではありません。
大いに活用できる理由はここにあるのです。

巨匠の構図

歴史に残る巨匠たちは、構図についてどのように考えたのでしょうか。
代表的な構図法が見られる作品を取り上げて解説しているので、興味のある方は以下の記事も併せてご覧ください。

最後に

構図を考えるのは非常に難しいですが、〈絵〉の骨となる大事な部分です。
諦めずに何度も調整して、より良い構図を探ってください。


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