![ゴッホ「夜のカフェテラス」](https://tadao-sakamoto.com/wp-content/uploads/2020/11/夜のカフェテラス.jpg)
19世紀の巨匠、フィンセント・ファン・ゴッホの「夜のカフェテラス」について、構図の解析をしてみます。
![](https://tadao-sakamoto.com/wp-content/uploads/2021/01/プロフィール写真3.jpg)
ここに紹介する構図解析は私独自のものであり、実際にゴッホが行ったかどうかは定かではありません。
とは言え、実に興味深い結果を得ることができたので、紹介したいと思います。
正方形の構図
正方形の構図線は構図を考える上で非常にシンプルなだけでなく、長方形の構図線と同様によく見られる構図法です。
長方形の短辺を長辺上に倒してできる正方形を基本に考えます (図1)。
![正方形の構図線](https://tadao-sakamoto.com/wp-content/uploads/2020/11/正方形.jpg)
これをゴッホの作品に重ねてみます。
![ゴッホ「夜のカフェテラス」](https://tadao-sakamoto.com/wp-content/uploads/2020/11/夜のカフェテラス2.jpg)
上辺を基準にできる正方形と、下辺を基準にできる正方形を同時に重ねてみます。
これら二つの正方形が重なる部分に、ちょうどカフェが位置しています (図2)。
正方形の対角線
![ゴッホ「夜のカフェテラス」](https://tadao-sakamoto.com/wp-content/uploads/2020/11/夜のカフェテラス3-1.jpg)
それぞれの正方形に対角線を引きます。
これらの対角線上にいくつかのポイントを見つけることができます (図3)。
長方形の構図線
![ゴッホ「夜のカフェテラス」](https://tadao-sakamoto.com/wp-content/uploads/2020/11/夜のカフェテラス4.jpg)
さらに、長方形の構図線を重ねてみます。
いくつかの垂直線と構図線が重なることが分かります (図4)。
2分の1、3分の1、4分の1、8分の1に重なる垂直線と、右上がりの対角線に響き合う線が目立ちます。
色彩
カフェの黄色と夜空の青は補色関係にあります。
同時に空の青の明度を低くし、カフェとの明度対比も作っています。
この当時、色彩についての研究が進み、人の眼がどうのように色を感じているのかが実証されました。
ゴッホはこの科学的事実を、いち早く自身の作品に取り入れているのです。
ゴッホの作品と生涯
ゴッホの生涯や作品については以下のリンクをご覧ください。
おすすめ本
構図について解説した本は、ほとんど目にすることがないと思います。
そんな数少ない構図の解説書から、入門書として決定版ともいえる1冊を紹介しています。
最後に
ゴッホがこれらの構図線を使ったかどうかは分かりませんが、当てはまる部分が多数見受けられ驚かされます。
色彩については、当時の色彩論を取り入れていると言われています。
情熱の画家と言われるゴッホですが、実に理論的に描かれているようにも考えられ、興味深いところです。
ゴッホの作品には、長方形の構図線に響き合う作品が多数確認できるので、ぜひ見つけてみてください。
遠近法、色彩、人体、構図などの講座ブログは、「絵画講座 / インデックス」として、まとめてありますので、ご活用いただければ幸いです。
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