教室に通っているけれども、自分でも勉強したい。
そんな時に技法書などの本は大いに参考になると思いますが、何を選んでいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめの6冊をご紹介します。
Joseph Sheppard/How to Paint Like the Old Master
~英語版~
デューラー、カラヴァッジョ、ルーベンスらの制作プロセスを段階的に写真で紹介しているので、英語が苦手という人でも写真を見れば内容ははぼ理解できます。
学術書というより著者独自の表現といった内容ですが、実践的で分かりやすいと思います。
最初に読む英語の技法書としてもおすすめです。
以下に内容の一部を紹介します。
この本の通りに描けばそれらしく出来上がりますが、古典絵画に興味のある人が、この本でオールドマスターの技法を学ぶには疑問があります。
あくまでも、著者の技法として割り切って活用するのがいいと思います。
ジュリエット・アリスティデス/ペインティングレッスン
~古典絵画に学ぶリアリズム絵画の構図と色~
著者が画家としての視点から、名画について紐解いていく。
✅ 特に、構図の考え方については、今の時代にも通用するものであり、押さえておきたい内容です。
オールカラーで、画集としても充実しています。
構図は難解に感じる人もいるかもしれませんが、入門編としてしっかりした内容になっています。
いくつかの演習が設けられていて、模写はその一つになっています。
カラヴァッジョ、ミレー、ブグローからアンドリュー・ワイエス、ネルソン・シャンクス、オッド・ネルドルム、王玉琦(ワン・ユキ)まで幅広く紹介しています。
椎名見早子/パース塾
画力がメキメキUPする! いちばん簡単な遠近法講座
透視図 (パース)が苦手な方に、入門書としておすすめしたい一冊。
決して「漫画なの?」と思ってはいけない。
絵を描くための実践的な考え方が充実していて、絵画の遠近法技法書よりも内容はしっかりしているし分かりやすい。
✅ 誰もがつまづきやすいパースも、この一冊が解決してくれます。
僕が遠近法につまづいた頃、2冊目に購入した本でもあります。
最初に手にした本は、コンパクトにまとめられてはいましたが、当時の僕には難し過ぎました。
消失点の数によって、一点透視図法、二点透視図法…、というような説明では50点だと思います。
この本では、画面と対象の関係を額縁を使って上手く説明しており、パースの初心者に分かりやすい内容になっています。
風景画に登場する人物の大きさも押さえることができます。
村山隆二/だれでもできる [超簡単] 建築パース
透視図を一歩踏み込んで学びたいという方にはこの一冊。
透視図の理論やグリッドを使った描き方、D点法などが記されています。
人によっては難解に感じるかもしれないので、基礎を押さえてから手にしたい本です。
初心者でも比較的分かりやすく解説されているが、先に紹介した「パース塾」などとあわせて読むことをお勧めします。
✅ 透視図法について、もっと詳しいことが知りたい方は、次のリンクからご覧ください。
≫ 透視図法に関するおすすめ本 4選
Jack Hamm/人体のデッサン技法
1976年に初版が出て以来、実に45年以上も愛され続けている名著なので、ご存知の方も多いと思います。
説明が実に丁寧で、目、鼻、口などのパーツの特徴、角度を変えて描かれたパターンが豊富に示されており、人体デッサンの基礎を学ぶには素晴らしい一冊と言えます。
また、衣服のしわのでき方まで取り上げられているので、ヌードデッサンだけでなくコスチュームを描く場合にも重宝します。
✅ 迷ったらこの一冊で間違いありません。
✅ 人体デッサンだけでなく、人体解剖学について興味のある方は、次のリンクからご覧ください。
≫ 人体デッサン、人体解剖学のためのおすすめ本 5選
城 一夫/色のしくみ
~ 初期の光学理論から色彩心理学・民族の色彩まで ~
表紙の絵が子供向けの本を連想させなくもない。
しかし、内容は決して子供向けなどではなく、この小さな一冊によくまとめたと思えるほどの充実ぶりです。
色の見え方や成り立ち、色の生理と心理、感情効果、そして色彩文化まで幅広く紹介されています。
各項目ごとに端的にまとめられているので、初心者でも分かりやすくなっています。
✅ 色彩について広く浅く知るにはこの一冊がおすすめです。
最後に
本を読んで理解するだけでは上達は難しいので、繰り返し描いてみることが重要です。
遠近法、色彩、人体、構図などの講座ブログは、「絵画講座 / インデックス」として、まとめてありますので、ご活用いただければ幸いです。
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