遠近法 「透視図の消失点はどこにあるか」

一点透視図法は消失点が1つ、二点透視図法は消失点が2つ、三点透視図法は消失点が3つ。

このことをご存知の方はたくさんいらっしゃると思いますが、それぞれの消失点の位置を理解できているでしょうか。

一点透視図法の消失点

消失点
(図1)

まず、「画面」は地面に対して垂直ということです (図1)。

前に傾いたり、後ろに傾いたりしません。

立方体を描く場合、「画面」と立方体の高さの線は平行にあるということです。

同時に、立方体の1つの面を「画面」と平行にセットします (図2)。

ですから、「平行透視」ともいいます。

視点から画面に垂直に延びた視線との交点を「視心」と呼び、一点透視図法の場合これが消失点となります。

一転透視図法
(図2)

一点透視図法で物を見る場合、視点が右にずれたり左にずれたりしても、画面との関係は変わりません。

あくまでも、視線は画面と直行します。

つまり、図2でA、B、Cの位置から一点透視図法として見る人は、それぞれ赤い矢印の方向に見ているということです。

その視線の先と画面との交点に視心があり、それが消失点になります。

Aの位置から青矢印の方向に見たり、Cの位置から黄矢印の方向に見たりするのは、後述する「二点透視図法」となります。

透視図で混乱している人の多くは、ここが正確に理解できていないのではないでしょうか。

立方体を一点透視図法で描く方法

一点透視図法の消失点
(図3)

図3の通り、まず一番手前の面(緑の正方形)を描き消失点を定めます。

各コーナーと消失点を結びます (青点線)。

奥行き方向の長さは、立方体の一辺の長さを基準に測って決めて立方体の完成です。

作図的に奥行きの長さを決める方法はありますが、絵を描く場合はこれで十分です。

二点透視図法の消失点

一点透視図法では画面の中に消失点が存在していましたが、二点透視図法の「消失点」はどこにあるのでしょうか。

それにはまず、「画面」と「モチーフ」の関係を知る必要があります。

二点透視図法の消失点
(図4)

一点透視図法では、立方体の正面から見ましたが、今度は立方体の角が見える位置から見ます (図4)。

角を真正面に置く必要はありません。

「画面」は一点透視図法と同じく地面に垂直です。

それぞれの関係は図4のようになります。

青い点線と青い実線の矢印、赤い点線と赤い実線の矢印はそれぞれ平行です。

「消失点」は「画面」と傾斜するそれぞれの角度にしたがって、自分の立ち位置から平行線を引いて画面との交点を求めます。

スケッチの実際

上記したことは作図上の話なので、実際のスケッチではこのように描きません。

二点透視図法の消失点
(図5)

「画面」の中に消失点が収まることの多い一点透視図法と違い、二点透視図法では片側の消失点が画面の外にでてしまうことがほとんどです(図5)。

ですから、スケッチブックを開いた状態で「消失点」を求めたり、紙を継ぎ足すなどの工夫が必要ですが面倒です。

こういう場合、ガイドラインを使って描きます。

ガイドラインを使う方法は、次のリンクをクリックの上ご参照ください。

三点透視図法の消失点

三点透視図法
(図6)

まず初めに、視点と画面の関係を知る必要があります。

これまでと大きく異なるのは、画面が傾くということです。

この時も画面と視線は直交しています。

図6では見下ろす図になっていますが、見上げる場合は画面が観察者側に傾きます。

地盤面に平行な面が持つ消失点は、二点透視図法と同じだと考えてください (図6)。

高さ方向の消失点は、視点から垂直方向に延長し、画面と交わった点が消失点となります(図6)。

三点透視図法と写真

三点透視図法
(図7)

至近距離でティッシュボックスなどの箱を写真撮影すると、図7のように三点透視図法的に写ることが多いと思います。

これでは見た目の自然さから離れています。

無意識にカメラを構えると、見下ろした(あるいは見上げた)ような写真になるので、三点透視図法として捉えることになってしまうのです。
(※ 対象から距離を取り、光軸が床と平行になるように撮影すると、三点透視図法的な図を避けることができます)

人が物を見て絵を描く時、図7のような像にはなりません。

私たちは様々な情報や経験を踏まえて脳で修正しているからです。

ですから、ティッシュボックスの高さの線はあくまでも地盤面に対して垂直に描くと思います。

それが自然な見方ですし、絵を見てもらう人に対しても、自分が見た物の印象を正確に伝えるにはその方が有効です。

透視図や写真は正確だと思われがちですが、自分の見ている世界を正確に捉えているかとういと、疑わしいのです。

透視図法に関するおすすめ本

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最後に

透視図法はあくまでも一つの見方であり、透視図として正しいからといって、見え方が自然だとは限りません。


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