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初心者必見!基本的な油絵の描き方と最初に揃えるべき道具について

着彩
これから油絵を始めてみたい。
今までなんとなく続けてきたけど、イマイチ描き方の手順がわからない。
油や道具の種類が多くて何を使うべきか知りたい。

油絵は「分からないことが多すぎる」と考えている方は少なくないと思います。
その最大の理由は「油」の種類が多いことにあるでしょう。
それだけではなく、見慣れない道具もたくさんあります。

「いったい、これはどう使えばいいんだぁ~???」
そんな声が聞こえてきそうです。

また、描き方の手順も様々で、技法書には何通りものテクニックが紹介されていますから、混乱するのだと思います。

ただ…

油絵具は修正が自由にできるので、初心者が絵を学ぶにはうってつけの画材です。
ポイントを絞って練習すれば、道具や描き方についても特に難しいわけではありません。

ですから、趣味として絵を始めようと思っているなら、絶対に油絵をおすすめします。

この記事では、基本的な油絵の描き方と、最初に揃えるべき道具について解説します。

作例では、段階ごとに示した写真と、使う色や道具の使い方を細かく示しているので、最後まで読んでもらえれば、これまでの疑問はすっきり解決してもらえるでしょう。
道具の選び方についても、迷わなくてもすむように一押しのおすすめ品を紹介しています。

モチーフ

次のようなモチーフを用意しました。
水差しとりんご2つのシンプルな構成です。

モチーフ

基本的な油絵の描き方‥ステップ 1

木炭で下絵を描く

下絵

木炭を使って下絵を描きます。

今回は6Fのキャンバスボードを使用。
これは両面使えるので練習用に最適です。
※ 片面しか使えないものもあります。

下絵

大づかみに形態を捉えていきます。

下絵

画面に対してだいたいの位置が決まったら、形を決めていきます。
あくまでもアタリを取るだけなので、決定的な輪郭線を追いかける必要はありません。

形の微調整は絵の具で行います。

最初に描いた下絵は画面に対してバランスがよくないと判断し、若干右に動かしました。
下絵に迷いがなければ、ウエスで木炭を拭き取るだけでもいいのですが、今回は複数の線があるためフィキサチーフで木炭を定着させます。

フィキサチーフを使う時は、火気に注意し換気の良い場所で使用してください。
吹き付ける画面を斜めに立てかけ、噴霧口を画面から30~40cmほど離し均一に吹き付けます。

着彩

着彩1

イエローオーカーで形を描いていきます。
下絵の線をなぞるのではなく、もう一度モチーフを観察しながら新たに描き起こしていくつもりで。

イエローオーカーを使っているのは目立たない色だからです。

画溶液はテレピンを使いますが、ペインティングオイルでも構いません。

着彩

明るいグレーを作り背景から描きます。
キャンバスに描く場合、豚毛の筆を使ってキャンバスの目地に絵の具をすり込むように塗ります。

ここで使った色は次の3色。

イエローオーカー
コバルトブルー
パーマネントホワイト

どこから塗り始めても構いませんが、背景は真っ白のまま進めるより、先に塗る方がいいでしょう。色は隣の色との関係で見えているので、モチーフの色を塗る際に影響するからです。

着彩

少し抑えた調子の色で画面全体を塗っていきます。
ここで使用している色は次の通り。

水差し イエローオーカー、バーントシェンナ、バーントアンバー、ビリジャン。
青りんご イエローオーカー、ビリジャン。
赤いりんご バーントシェンナ、カドミウムレッド。
明度はパーマネントホワイトで調整します。

✅ 混色の方法は以下のリンクをご参照ください。

着彩

形を整えながら絵の具を重ねていきます。
水差しや青りんごの色にカドミウムイエローも使い彩度を上げていきます。

着彩

ある程度、形が定まってきました。
ここで2~3日乾燥させます。

基本的な油絵の描き方‥ステップ 2

細部の描写

着彩

水差しから描きこんでいきます。
※ もちろんどこから描いても構いません。

画溶液はペインティングオイルを使います。
使っている絵具は変わっていません。

絵の具が乾いて色が白っぽく見えていたらルツーセを使います。
特に、暗い色は乾くと艶がひけて、白っぽく見えることがあります。

こうなると色の関係を見極めることが難しくなるので、ルツーセを使って艶を取り戻すのです。

ルツーセを使う時は、絵の具が完全に乾いていることを確認して使ってください。

ルツーセの役割は次の3つです。

1️⃣ 濡れた色に戻すこと
2️⃣ 新たに乗せる絵具の固着力を高めること
3️⃣ 絵の具の伸びをよくすること
着彩

りんごも描き込んでいきます。

水差しにハイライトを入れると一気に質感がでてきました。
全てのハイライトが「白」ではないので、明暗関係をしっかり観察することが大事です。

ハイライトにはチタニウムホワイトを使います。
チタニウムホワイトは隠蔽性が強く、硬質な物質のハイライト表現に最適です。

背景の処理

着彩

背景は光の入ってくる側を暗くし、その反対側を明るく描きます。
その方がモチーフの存在感が際立つからです。

同時に暖色と寒色を重ねながら色の深みを与えていきます。

※ イエローオーカー+コバルトブルー+パーマネントホワイトを基本に混色比率を調整し、暖色系の色、寒色系の色を作る。
イエローオーカーが多くなれば暖色系の色になり、コバルトブルーが多ければ寒色系の色になります。

暖色系の色を作る際には、少量のカドミウムレッドやバーンとシェンナなども使い、変化を与えています。

塗り重ねる絵の具の厚みに変化を与え、塗り残すところ、完全に覆い隠すところ、透けて見えるところを作りながら調子を作っていきます。

仕上げ

着彩

細部と全体のバランスを意識しながら、調子を整えていきます。
破綻なくまとまれば完成です。

油絵の道具と使い方について

ここからは、油絵の道具と使い方について紹介します。
これから道具を揃えようとしている方、使い方のわからない道具がある方は参考にしてください。

油絵具一式 木箱セット

入門編として道具を考えるなら、セット品がおすすめです。
最低限必要なものは揃っているので、何を選んでいいか迷うこともありません。
テレピンはセットに入っていません(特に必要というわけではありません)。

デメリットといえば、木箱は少々重いということでしょうか。

でも、木箱に入っているとかっこいいし、初心者にとって絶対に気分が上がります。

こういうことって、モチベーションの維持にも影響するので、けっこう大事なんですよね。

✅ 木箱は必要ないという方は以下を参考にしてください。

油絵具

油絵の具には様々なメーカーやブランドがあります。

上級者用の絵の具も存在しますが、初めて油絵を描くという方には12色程度のセットがおすすめです。

人によってはあまり使わない色が出てくるかもしれませんが、比較的使用頻度の高い色がセットされていて便利に使えるからです。

あとは、セットされた絵の具をベースに、描きたいモチーフや絵のイメージに合わせて、自分の好きな色の絵の具を少しずつ増やしていくのがいいと思います。

セット以外にあると便利な油絵具

チタニウムホワイト
隠蔽性が強く、塗りつぶしやハイライト表現に向いています。

カドミウム系の油絵具
若干高価な絵の具ですが、素晴らしい発色の良さは魅力です。

油絵筆‥豚毛筆

油絵の筆には実に様々な種類がありますが、初心者には毛の白い豚毛筆をおすすめします。
粘りの強い油絵具を扱うには、毛の質の硬い豚毛が適しているからです。

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ブラシクリーナー

筆を手入れするために使います。

使った筆は新聞紙などで余分な絵の具をぬぐい取り、まずブラシクリーナーで洗います。
そのあとさらに、石鹸で色がでなくなるまできれいに洗います。

✅ 筆の種類や手入れの仕方については次のリンクをご参照ください。

画溶液

油絵で最も頭を悩ませるのが油でしょう。
種類も多く、初心者にとって何を選んでいいのか全くわからない、というのがその理由です。

ここでは次の2種類のみ紹介しておきます。

テレピン

揮発性で油分は含まれておらず、描き始めのみに使います。
テレピンはなくても描けますが、最低限知っておきたい画溶液です。

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ペインティングオイル

描き始めから仕上げまで一貫して使うことができます。
これ一本あれば油絵は描けます。

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パレット

パレットには木製と紙製の2種類あります。
※ 大理石などのパレットもあります。

木製パレットは半永久的に使えますが、描き終わった後の手入れが必要です。
一般的に、木でできた折りたたみ式のパレットが有名です。

「1つのパレットを長く使いたい」、「画家の気分を味わいたい」という方にはこちらのパレットがおすすめです。
長く使い込めば道具に愛着もわきます。

紙パレットは消耗品ですが、手入れは楽です。

「パレットの掃除が面倒臭い」という方には紙製の使い捨てパレットがおすすめです。
パレットが汚れたら紙を剥がすだけなので後片付けが楽です。

おすすめは紙パレットです。
手入れが楽ということもありますが、ペーパーパレットは色が白く、絵の具の微妙な色を判断しやすいというメリットがあります。

※ 木製のパレットは茶系なので、微妙な色の判断は難しいです。

油壺、または皿

油を入れる容器が必要ですが、自宅で描くなら不要な小皿で代用してもいいでしょう。

野外で描く場合は油壺がある方が便利です。
油壺には筒形とそろばん型があります。

そろばん型は傾けても画溶液がこぼれないメリットがあります。

筒形は安価ですが、傾けると画溶液がこぼれるので注意が必要です。

初心者にはそろばん型がいいでしょう。

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イーゼル

イーゼルはキャンバスを立てかける台です。
キャンバスをテーブルに置いて描くこともできますが、画面を寝かせると正確な形を描くことが難しくなります。
パースがかかり画面の奥に向かって縮んで見えるためです。

ですから、イーゼルは必ず一台は持っておきましょう。
折りたたみ式の携帯用イーゼルを持っておくと、室内でも屋外でも使えて重宝します。

ホルベインの野外用イーゼル「ニューシルバーイーゼル No.74」は4段式で伸ばすことができ、最小長さは40.6㎝です。
かさばらず軽いのが特徴です。

ペーパーキャンバスボード / キャンバス

初心者の方には両面使えるペーパーキャンバスボードがおすすめです。

キャンバスに描くような心地よい弾力感はありませんが、キャンバスに比べて安価で両面使えのでお得です。

数をこなすべき初級レベルではこれで十分です。
キャンバスに比べて薄いので、保管にも場所を取りません。

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✅ それでもやっぱり、キャンバスを使ってみたいという方はこちら。
何より油絵をやってるという気分が味わえますからね。

✅ キャンバスについての詳しい説明は次のリンクをご参照ください。

キャンバスクリップ

キャンバスクリップ

屋外などの写生会で必ずといっていいほど必要な画材です。

描画直後の作品は表面が乾いていないのでベトベトしています。
そのまま持ち帰っては、どこに絵の具が付くかわかりません。

そんな時に重宝するのがキャンバスクリップです。

写真のように同じサイズのキャンバスを2枚あわせて使います。

その他の画材

木炭

「下絵を描くなら鉛筆でもいいんじゃないの?」と仰る方もいるでしょう。
確かにその通りですが、木炭のメリットは消しやすいことです。

鉛筆なら消し具が要りますが、木炭は手で擦るだけでもかなり消すことができます。
もちろん手だけで完全に消すことはできませんが、下絵なのである程度消えれば十分です。

伊研 木炭 №360は、柳の炭で軟らかく濃いので描きやすいです。
アルミ箔が巻いてあり、手も汚れにくくなっています。

バランスの良い代表的な木炭といえるでしょう。

フィキサチーフ

フィキサチーフは木炭、鉛筆、パステルなど、粉状の画材で描かれた画面のかすれを防ぐために使われます。
油絵制作の際、あると便利ですが、作例中にも書いた通り使わなくても構いません。
※ パステルには専用のフィキサチーフがあります。

スプレータイプと瓶入りタイプがありますが、スプレータイプのものをおすすめします。
瓶入りタイプは噴霧器が必要なので面倒です。

ルツーセ

絵の具は乾燥するとツヤがなくなります。
この状態で正確な色を判別できないので、ルツーセを使用してツヤを戻すことは、重要な意味があるのです。

フィキサチーフ同様に、スプレータイプと瓶入りタイプがありますが、ルツーセに関してはどちらでも構いません。

瓶入りは筆や皿などを使うので、後片付けを考えればスプレータイプのものが便利です。

最後に

小学生の頃から慣れ親しんだ水彩絵の具に比べると、油絵はどうしても難しいというイメージが先行しているように思います。
それは単に油絵に向き合っている時間が少ないだけのことです。

「習うより慣れよ」という諺がありますが、まさにこの諺が示す通り数をこなしてナンボです。


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