色彩の科学には、ニュートンによる「光」に基づく研究と、ゲーテによる「心理」に基づく研究の2つの大きな流れがあります。
ニュートン
ニュートンといえばイギリスの物理学者で、「万有引力の法則」が有名です。
「りんごが木から落ちるのを見て...」というあれですけど、この話はウソです。
まぁ、それはさておき...、
プリズムに光が当たると7つのスペクトル(虹の色)に分光されることを発見したのもニュートンです。
ニュートンは、「スペクトルは無限の色を引き起こす光である」と指摘しました。
さらに「光線に色はない。それぞれの色の感覚を引きおこすある種の力と性質があるだけだ」と述べています。
さらに「光線に色はない。それぞれの色の感覚を引きおこすある種の力と性質があるだけだ」と述べています。
これは、古代ギリシャの哲学者アリストテレスが提唱し信じられてきた、「色は白と黒の間にある」という色彩観に、相反するものです。
そして、「宇宙にあるすべての色は光によって構成され、人間の想像力には左右されない」と結論づけました。
色彩の科学は、このニュートンから始まったのです。
ゲーテ
ドイツの文豪ゲーテですが、生理的・心理的な側面から、色彩研究を進めたことでも知られています。
彼はニュートンの理論には、反発していました。
ある時、ニュートン学派からプリズムを借りてきて、スペクトル(7色の光の帯)を見ようとしましたが、そのときゲーテはプリズムに光を通すのではなく、自分の手にプリズムを持ってのぞいてしまったのです。
当然スペクトルは見えません。
ニュートンの考えは間違っていると思ってしまうのです。
ここから科学的な実験を重ね、ニュートンの理論に鋭い反撃を加えるようになります。
彼の有名な実験に、ロウソクの青い影の実験があります。
「火のついているロウソクを白い紙の上に置き、夕日とロウソクの間に1本の鉛筆を立てる。
すると、夕日に照らされた鉛筆の陰は黄赤であるのに対して、ロウソクに照らされた鉛筆の影は青に見える」と述べています。
すると、夕日に照らされた鉛筆の陰は黄赤であるのに対して、ロウソクに照らされた鉛筆の影は青に見える」と述べています。
この現象は人間の生理的・心理的作用によるものだと考え、ここから彼の色彩研究が始まるのです。
参考図書
最後に
遠近法、色彩、人体、構図などの講座ブログは、「絵画講座 / インデックス」として、まとめてありますので、ご活用いただければ幸いです。
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