上達の度合いは違っても、 上手くなる人は共通した心構えをしているように思います。
もちろん、心構えが全てではありませんが、やはりレッスンに臨む姿勢は大事です。
僕自身は英会話教室に通っていますが、なかなか上達しません。
思ったように上手くいかないことが続けば、つい余計なことを言ってしまうことがあります。
「その練習にどんな意味があるんですか」
「やりたくないんですけど」
実に素直じゃありませんよね????
そんな時、思わずハッとします。
こんなことを言ってるようでは上手くならないのも当たり前だな…と。
この記事では、 生徒の立場を経験して感じたことや 、 20年を超える絵画指導の立場から思うことをいくつか挙げてみました。
やる気が一番
やる気の度合いが高い方は、何ごとも意欲的に取り組み、集中力も高く簡単に諦めたりしません。
当然、作品も魅力的になります。
やる気の度合いが低ければ諦めるのも早い。
いつ筆を置くかは本人が決めることなので、できるだけ本人の意思を尊重しますが、作品の完成度はやる気の度合いに比例しているように感じます。
ある時、こんなことがありました。
80才を超える生徒さんに「バックの色はどんな色を塗ったらいいですか」と聞かれたので、
「好きな色を塗ったらいいですよ」と答えると…、
「そんないい加減な答えじゃなく、ちゃんと教えてください!」と叱られたのです。
年より扱いを受けたと思われたのかもしれません。
もちろん、いい加減な答え方をしたつもりはありませんでしたが、意欲の高さを感じて驚いたことをよく覚えています。
もちろんその方の作品は素敵でした。
やる気が全てのベースであり、その度合いは作品にも表れます。
素直であること
描けない人に限って、あー言えばこう言う…、という方が多いのではないでしょうか。
人の話をきちんと聞かず、自分勝手流を貫いてくるのです。
こういう人は100%上達しない、と断言できます。
逆に言えば、こういう姿勢で続けているから、いつまでも上達しないと言えるのです。
自分のやり方を貫きたいという、強いこだわりを持っている人はいますから、それを否定するつもりはありませんが、それがもし間違ったやり方であれば、何年続けても成果には結びつきません。
「絵の具はたくさん出しましょう」と言っても、少ししか出さなかったり、
「大きな筆を使いましょう」と言っても、細い筆ばかり使っていたり。
こういうことは難しいことではないので、指摘されたら素直に受け入れるべきです。
それが上達への近道でもあります。
最後までやり遂げる
途中で投げ出さないことは重要です。
上手くいかなかったらすぐにやめて別の作品へ、それで上手くいかなかったらまた別の作品へ。
こういう方を見かけますが、これではいつまでたっても作品ができませんし、自分の限界を超えられません。
何点かの作品をローテーションさせながら仕上げるならいいのですが、どの作品も中途半端になっては良くない。
達成感を得ることは、その後の制作にも大きく影響します。
時間がないという人になってはいけない
「時間がないんです」
そういう言い訳をする方がいます。
時間がなければ、やりたいこともできないように思えますが、それは違います。
「時間がないからできない」と言う人は、時間があってもできません。
いざ時間ができると…
「ちょっと体調がよくなくて」
「描こうと思ったんですけど、道具を教室に置いてきたから」
…などと別の言い訳を始めます。
人はストレスを感じると、体をいつもの状態に保とうとします。
そこで、あれやこれやと言い訳を並べてしまうのです。
✅ これについては、次のリンクで詳しく解説していますので、興味のある方は読んでみてください。
忙しいのは誰でも同じなので、本当に忙しいなら時間は作らなければなりません。
楽しみにしているテレビドラマを見るためなら、サッサと家事を済ませて時間を作るでしょう。
(中にはほったらかしにしたままの人も…)
好きな人とデートの日は、何が何でも時間を作りますよね。
過去に一度、厳しく問い詰めたことがあります。
某有名公募団体に出品していた方の一人が、「何年出品しても推挙されない」と言ってきたからです。
同時に出品し始めた方は、推挙されたり受賞されたりしているのに、未だに自分が報われないのはなぜかというわけです。
「ありったけの時間を注がないと簡単には推挙されませんよ」と言うと、「主婦は何かと忙しくて時間がないんです」などとお決まりの言い訳が始まる。
しかし、問い詰めていくと、出てくる出てくる無駄な時間。
いったい何時間無駄にしてるんですか、というほどです。
工夫をすれば、必ず時間は作れます。
いま一度、時間がない原因を探ってみるべきです。
節目に見直すこと
「今まで頑張ってきたけど、それほど上達してないなぁ…」
「この先続けても、これ以上上手くなるだろうか…」
1年、3年、5年…、節目の年になると、こんなことを思うのではないでしょうか。
節目ごとに気持ちを切り替えて、ぜひ一歩前へ進んでいただきたいと思うのです。
難しいことはやりたくない…だからやらない。
こういう気持ちに支配され続けていてはダメです。
「何が何でも一歩前進する」…という風に、気持ちを切り替えてほしいわけです。
じゃあってことで、一念発起して基本から見直してみようと考えてはみても…
こんな図式が頭の中で渦巻いてしまう。
一度このスパイラルにハマってしまうと、自分自身で逃れるのは難しい。
そんなとき、講師のアドバイスに救われることがあると思います。
しかし、聞く耳をもたなくなってしまっていてはどうしようもありません。
何か話そうとすると…
「無理です」
「できないです」
この言葉が出ると対処のしようがありません。
初心にかえり、素直な心を取り戻してほしいと思います。
上達の5ヶ条
➀ 楽しむ
嫌なことは続きません。「好きこそものの上手なれ」です。
心から描くことを楽しんでいる人は、自主的に次から次へと作品に取り組んでいます。
➁ 指摘されたことは即実行
「分かってます」、「後でやります」と言わず、すぐにやってみる。
素直さは大事です。
➂ 手間を惜しまない
楽して上手くはなりませんし、良い絵は描けません。
「もう少し右に描けばよかった」とか、「もう少し大きく描けばよかった」などと思ったら、描き直すくらいのことはしましょう。
➃ 課題をもって臨む
漠然と教室に通っても成果は上がりません。
他の人が描いている絵を見たり、展覧会に足を運んでみたりすると課題は見えてきます。
➄ 休まない
「継続は力なり」です。
些細なことを理由に休まない(気分のせいにしたり、天候のせいにしたり…)。
教室に通う心構えとして5つの項目を挙げてみました。
なかなか上達に結び付いていない人は、これらとは逆の5ヶ条をやっていることがほとんどです。
■ あ~言えば、こう言う。
■ めんどくさいことはやらない。
■ 何も考えていない。
■ よく休む。
だけど、上手くはなりたい。
そんな都合のいい話はありません。
最後に
ここに書いた心構えは、ごく当たり前のことばかりですが、できていない方は多いのです。
遠近法、色彩、人体、構図などの講座ブログは、「絵画講座 / インデックス」として、まとめてありますので、ご活用いただければ幸いです。
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